エジプトと世界遺産 [旅行・世界遺産]
by Olympus E-620
ご存知のとおり、エジプトにはピラミッドをはじめたくさんの世界遺産があります。
ピラミッド(三大ピラミッド)も正式には
「メンフィスとその墓地遺跡-ギザからダハシュールまでのピラミッド地帯-(1979年、文化遺産) 」
と長~い名称で登録されています。
世界遺産がどうして生まれたか、みなさんご存知ですか?
1960年代、エジプトはナイル川流域でアスワンハイダムという、それはそれは恐ろしく大きなダムの建設が計画されました。
アスワンハイダムが完成してしまうと、近隣の遺跡がダムの底に沈んでしまいます。
これらの遺跡の中にはアブシンベル神殿という、歴史的価値の非常に高い遺跡も含まれていました。
そこで、ユネスコの呼び掛けでこの遺産を守ろうというキャンペーンがはじまり、多くの国が賛同しました。
雨の少ないエジプトでダムの計画自体を取り止めさせるというのは人道的にも問題があります。
では、遺産を守るためにはどうすれば良いのか・・・偉い人たちは色々と考えたんでしょうね。
ダムの開発を中止せず、神殿も水没させない。
「神殿を動かしちゃえばいいじゃん」
「どうやって動かすの?」
「神殿をコマ切りにしちゃえば動かせるじゃん?」
「コマ切りにしたやつはどうするの?」
「くっつけちゃえばいいじゃん!」
ってことで、彼らは(ほぼ完璧にその姿を残していた)アブシンベル神殿を細かい断片に分割し、60m上方に(完璧に)再現します。
実際にアブシンベル神殿をみても、これが一度バラバラにされたなんて信じられないくらいの完成度です。
・・・長くなってしまいましたが、このキャンペーンの中で世界中に残されている貴重な遺跡や自然を保護し、後世に伝えていくことの重要性が再認識され、1972年に世界遺産条約が成立し、1978年に最初の世界遺産が登録されました。
件のアブシンベル神殿は翌年1979年、世界文化遺産として登録されました。
ボクも奥さんもこのアブシンベル神殿がエジプト旅行のハイライトだったので、遺跡が見えた瞬間は鳥肌が立ちました。
神殿の幽玄な佇まいはここだけ3千年間時間が止まったかのようです。
写真は上がアブシンベル神殿のシンボル、ラムセス2世像です。
下はアブシンベルで宿泊したホテルのプール。
相当暑かったので、貸切状態のプールでのんびりと過ごしていました。
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